早朝五時より臨済宗相国寺派大本山相国寺へと向かいました。
今日と明日は暁天講座が開かれます。
五時半より座禅、六時より講話、七時より朝粥接待というスケジュールです。

座禅は方丈で行われすぐ後ろには綺麗な絵が描かれた古い貴重な襖絵がすぐそこに、
そして北と南には立派な庭があり、歴史を感じるまさに日本美術の空間の中での座禅です。
明け方の方丈
薄暗い明け方から少しずつ変わっていく光の加減がとてもいい感じをつくりだします。
瓦の黒、室内の暗さの黒、陰の黒、そして明るくなるにしたがって
白壁や白砂の白がはっきりと見え、黒と白とのコントラストが時間によりとても美しく
変化していきます。
明け方の方丈二
方丈北庭
講話は有馬管長さんによる相国寺中興の祖、西笑承兌のお話がありました。
中国からの禅の歴史、達磨さん、空海、最長、秀吉、家康などのお話を交えながら、
時にはおもしろおかしく、そしてわかりやすいお話を聞かせていただきました。

その後記念写真を撮り朝粥へと。

お粥と少しのお漬け物。食事五観の偈を唱えてからの食事。
朝粥
一つには功の多少を計り彼の来處を計る
(この食事がここに運ばれるまでの多くの人々の苦労に感謝いたします)
二つには己が徳行の全闕を計って供に應ず
(私自身はこの食事を頂くために、日ごろ善い行いをしているかどうか反省します)
三つには心を防ぎ過貪等を離る々を宗とす
(心を落ち着けて、必要以上に多くをむさぼらない様注意します)
四つには正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり
(この食事は飢えや渇きを治し、病気を予防する良き薬でもあります)
五つには道業を成ぜんが為に当に此の食を受くべし
(これからも一層精進努力するために、この食事を頂きます)

食べる事があたりまえのようになってしまっている今日、大切な事を再確認し
おいしくいただきました。
方丈から法堂を見る
西村